水の上に色を浮かべて、その模様を紙や布に写しとる。マーブリングは、何百年も前から、遠くはなれた国々で、それぞれに受けつがれてきた技法です。
日本の「墨流し」
水面に墨をひとしずく落とすと、輪がふわっとひろがります。そこへまた一滴、もう一滴。重なった輪がゆらいでできる模様を、和紙にそっと写しとったのが「墨流し」です。
12世紀のはじめにつくられた歌集「西本願寺本三十六人家集」の料紙に、いまに残るもっとも古い例のひとつが見られます。江戸時代には、布の染めにも使われるようになりました。
トルコの「エブル」
中央アジアやペルシャから伝わったといわれ、オスマン帝国の書家や職人たちが磨きあげてきた技法です。とろみをつけた水に絵の具を散らし、針や櫛で、花や波の模様を描いていきます。
名前は、「雲」をあらわすペルシャ語から来たという説もあります。2014年には、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
ヨーロッパの「トルコの紙」
17世紀、交易をとおしてヨーロッパへ。はじめは「トルコの紙」と呼ばれ、本の表紙の裏(見返し)をいろどる紙として広まりました。
職人たちは模様のつくり方を秘密にしていたので、いまではつくり方がわからなくなってしまった模様もあるそうです。
そして、いま
紙から布へ、そして肌へ。waiでは、この技法で、水面に描いた模様を腕に写しています。
色の落とし方や、櫛の通し方は、何百年も前からほとんど変わりません。それでも、水の上の模様は、二度と同じかたちにはなりません。
水の上の色が、なぜ混ざらないのか。その理由を、こちらのページで、すこしだけ物理の目線から書いています。
体験について